どんちゃん先生があなたのココロの健康管理について答えます
ココロの健康づくり
ココロの健康づくり

ココロの健康というと、何やら、難しいことのように思われますが、ココロはカラダの一部なのですから、ココロの健康はカラダの健康と一緒です。カラダを健康にすれば、ココロも健康になります。 ここでは、ココロの健康に不安をお持ちの方に、メンタルヘルスケアの専門家が解決の糸口を探してくれます。










〈第21回〉ご家族の病

夫が仕事や人生のことで悩み、2週間程不眠になったことがあります。
このまま鬱になり、仕事ができなくなるのではないかと心配でした。
幸い元気になりましたが、元々神経質で気が小さいタイプなので、少し元気がなくなると今度こそ鬱になるのではないかと不安になります。
家族としてベストな対応を教えてください。
(46歳女性)

 

 ご主人が、今まで普通に生活や仕事をされていることを前提に回答をいたします。

 奥さんとして、ご主人の健康状態を心配されることを、お察しいたします。ただ、家庭は”船“のようなもので、船の行き先をコントロールする船頭が病気で動けなくなると、家庭という船は行き先を見失い、さまようことになります。それは一番避けないといけないことです。家庭が健全に機能するためには、奥さん自身が体調を崩さないことがとても大切です。そのためには、悩むべき人が悩んでいるかどうかを冷静に確認する必要があります。自分の仕事や人生のことで悩んでいるのはご主人ですから、悩みながら自分なりの回答を出すのはご主人自身であり、奥さんではありません。回答を出す過程で、病気にならないようにするのは、ご主人が気を付けることになります。

 一方、奥さんとして、何をしたらよいのでしょうか。まずは、ご主人の体調がよくても悪くても一喜一憂せずに、家庭を運営することになります。そのためには、自分の生活ペースを乱さずに、気になることがあれば友人などに相談することが大切です。相談ができる人がいなければ、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会や一般社団法人 日本臨床心理士会の電話相談などを利用されることをお勧めいたします。

 さて、肝心のご主人の件ですが、放っておくことではなく、奥さんとしては、ご主人が必要としているサポートを提供することです。そのためには、率直に「最近元気がないように見えるけど、私にできることがあったら言ってくれると私は嬉しいのですが…」と話すことが大事です。家族として、一緒に暮らしていると、ここまで話さなくてもわかってくれると思いがちですが、黙っていては、自分が何を考えているのか一緒に住んでいる相手へ伝えることはできません。面と向かって口で話すのが照れくさいのであれば、手紙に書いて渡すことでも構いません。奥さんとしては、ご主人へ自分の気持ちを伝えることが自分の責任です。次に、ご主人へ自分の思いを伝えて、ご主人から「大丈夫」と回答がきたら、どうするかということですが、その場で「元気があるかないか」を議論しても仕方ありませんから、その場は「わかりました。体調が悪い時には正直に言ってください。私としては、あなたの体調を心配しています。」と話して終わらせてください。

 もう一つ理解してもらいたいことは、元気がないから「鬱」とは言えないことです。正確に言うと、うつ症状は、うつ病と違います。元気がなくて不眠になることは、うつ症状に含まれるかもしれませんが、うつ病とは言えません。うつ病になると、普段の生活通りに生活できなくなります。例えば、物忘れがひどくなって、昨日話したことをすっかり忘れてしまい、家庭の中がギクシャクしたり、イライラ感がひどくなって、おとなしい方が荒々しい言葉遣いをしたり、気の小さい方が大胆なことをしようとしたり、ダイエットもしてないのに急に体重が減ったり、頭痛・めまい・疲労感などの体の症状がひどくなり、内科などの病院に通院しても一向に症状が治らなかったり、休み明けの午前中に身体の症状が悪化したりするようなことが生じてきます。そういう症状が生じてきたら、身体の症状を具体的に取り上げて、「身体が心配だから念のため、メンタルクリニック(精神科・心療内科)」へ受診してほしい」と話しましょう。病院へ行く際には、できるだけ本人だけでなく、奥さんも一緒についていき、家庭の中で気になる症状を主治医へ伝えることをお勧めします。

 くれぐれも、奥さん一人でご主人の健康を支えようとせず、まずは自分自身の健康管理を継続し、困ったときには専門家へ相談させることをお勧めいたします。参考になれば幸いです。

 




〈第20回〉職場での人間関係

会社で隣の席の人と相性が悪く、ぎくしゃくした人間関係が続いています。
歩み寄る努力もしましたが、余計に関係が悪化してしまいました。
仕事をしながら、一日中隣が何となく気になってストレスを感じます。ときどき目のまぶたがピクピクすることもあります。
毎日のことなので何とか改善する方法はないでしょうか?
(27歳女性)

 

 会社の人間関係で悩んでいる方は多いようです。平成25年労働安全衛生調査(実態調査)で、現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じると回答している方は、回答者の52・3%と認められ、そのうち、対人関係を原因に挙げている方は、33・7%でした。

 人間関係を考えるときに大事なことは、人によりコミュニケーションのパターンが違うということです。まず、情報を周囲や相手から得る際には、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)から具体的に感じるものを中心としている方もいる一方、目に見えないイメージや印象などを中心としている方もいます。例えば、AさんとBさんの会話で、Aさんが五感を通して情報を中心に得るタイプ、Bさんがイメージや印象を得るタイプとした場合、次のような会話が起こりやすくなります。BさんがAさんに、「今日は暑いなあ」と言った場合、Aさんは「今は、26度かもしれない。」と答えたとします。その回答を聞いたBさんは、「別に室温を具体的に聞いたわけではなく、単に、暑いかどうか聞いただけで、そんな答え方をしなくてもいいのではないか」と思うことがあります。

 次に、人が物事を判断する際に原理原則を中心に判断しやすい方と調和を中心に判断しやすい方もいます。例えば、Cさんが原理原則を中心に判断しやすい方、Dさんが調和を中心に判断しやすい方とした場合、職場でCさんとDさんの上司が、「みんなで協力して、職場のパフォーマンスを上げましょう」と言った場合、Cさんは、「"協力"と言っても、個々人が決められた役割をこなしていれば、十分ではないか」と思う一方、Dさんは、「そうだ、協力が大事だ」と思いやすいです。

 多くの場合、AさんとBさんの会話と、CさんとDさんの感じたことは、お互いにコミュニケーションがうまくいかなかったと思われがちですが、実はそうではなく、もともと個人の持っている情報の受け取り方や判断の仕方の違いによるものなのです。ですから、自分と同じように相手も物事を感じたり判断したりしないということは、よく理解しておく必要があります。ご相談には、「歩み寄る」努力をしたと書いていますが、自分と相手の感じ方や判断の仕方が違えば、「歩み寄る」ことはかなり困難であることは当たり前です。

 では、どう対応するかということですが、まず、「自分と相手は、100%分かり合えない」という前提に立って、相手のコミュニケーション・パターンに理解することが大事です。仕事の支障のない程度に、相手とやり取りができればよいと思ってみることをお勧めします。

 他に気を付けることとしては、うまく人間関係が取れていない方と、自分が直接コミュニケーションをとることよりも、第3者(上司・同僚など)を経由してコミュニケーションをとったり、第3者に相談したりすることも大事です。

 他に大事なことは、普段の生活習慣です。まずは、睡眠時間の確保、バランスのある食生活、身体のケアです。週平均で1日6〜7時間は睡眠をとりましょう。ただ、布団やベッドに横になればよいという話ではなく、寝る前の準備が意外に大切です。夜はカフェイン飲料やアルコールは控えて、寝る1〜2時間前にはお風呂でぬるま湯の湯船につかることがよいです。夜のタバコも控えましょう。

 また、ネットやスマートフォン、携帯電話、PCなどの情報携帯端末を扱うことは、寝る1〜2時間前から控えましょう。心配なことを夜にネットで検索することもよくありません。夜は性格に関わらず、物事をネガティブに考えやすいことも言われており、また、ネットを検索すると、自分の心配事によく似たことを多く検索できることで、あたかも、自分の心配事が重症なように勘違いすることを増やします。

 職場の人間関係でギクシャクすることは、珍しいことではありません。その方とうまくコミュニケーションをしようとする前に、まずは、自分の体調を崩さないよう、その人との関わり合いを最低限にすることも、ひとつの選択肢です。バランスのある食生活は、たんぱく質(肉・魚など)、野菜、炭水化物(米やパンなど)を偏りなく摂ることが大事です。

 朝忙しくて食事がとれない方は、ヨーグルトや飲み物などでもよいですから、少し食べておくことが大事です。コンビニエンスストアでの弁当が多い方は、野菜などを一品追加するか、外食の際に定食を選ぶようにしましょう。夜遅く夕食をとる方は、お腹いっぱい食べると、寝つきを悪くするだけでなく、メタボリック症候群になりやすくなるので、量は控えめにしましょう。身体のケアですが、年に1回は健康診断を受けて、再検査や精密検査、治療が必要と言われた項目があれば、かかりつけの医師に相談されることをお勧めします。

 色々と書きましたが、職場生活やプライベートで、人間関係が常に順調にいくことはありません。時には人間関係で苦労することもあるでしょう。そういう経験を「自分だけ」とは思わずに、また、解決を急がずに、1つの人生経験として味わうことも意味があります。以上、参考になれば幸いです。

 




〈第19回〉人間関係の改善と心が晴れる方法

同僚との人間関係で悩んでいて、会社に行くのがつらいです。その同僚からきついことを職場で言われていますが、それを人に相談すると、自分のわがままだと思われるのが怖くて他の人にも話せません。
その同僚との対応は気にしないように心がけて、自分の仕事に没頭するように努力はしていますが、会社にいるときは、緊張しビクビクすることがあり、最近前向きな気持ちになれず心が晴れません。何かよい対処方法はないでしょうか。
(39歳 女性)

 

 厚生労働省が5年おきに、労働者健康状況調査を実施しています。平成24年の調査結果の中で、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」と回答した労働者は60.9%で、「職場の人間関係の問題」について強い不安・悩み・ストレスを感じている労働者は41.3%(男性は35.2 % 、女性は48.6%)と報告されています。ということは、女性の労働者の約半数は職場の人間関係について、少なからず悩みを抱えていることになります。つまり、あなただけではないということは知っておくことが大切です。

 同僚から具体的にどのようなことを言われているのかは分からないのですが、あなた自身が「人に相談すると、自分のわがままだと思われるのが怖くて」という部分が、私としては心配なところです。

 あなた自身が思っている「相談できる人」には、どんな方がおられるでしょうか。人間関係療法という学問があり、それでは同居している家族や親、姉妹(兄弟)等との人間関係が良好で、コミュニケーションをしっかりとっていれば、職場で多少問題が生じても、健康上問題を生じることを予防することができると考えられています。同居している家族等は、あなたが元気であっても体調を崩しても、あなたのことを気にしてくれる人たちです。そういう方と、毎日、短時間でも会話をしているでしょうか。仕事が忙しくて話す時間がなければ、一度、「職場でちょっと気になっていることがあって…」と話してみてはいかがでしょうか。その同僚の事を直接話せなくても、今のつらい気持ちを言葉にするだけでも、少しは気持ちが軽くなります。

 そうは言っても、なかなか話すことができないという方は、会社や健康保険組合の相談窓口、信頼できる友人・上司でも構いませんし、場合によっては一般社団法人日本産業カウンセラー協会の相談室、一般社団法人 日本臨床心理士会の電話相談をご利用されることをお勧めします。話すことが難しければ、日記に気になることを書き出してみることでもよいと思います。

 それと、普段の生活習慣を見直すことをお勧めします。これだけ体調が悪いと、1日最低でも7時間以上睡眠をとることが必要になります。就寝2〜3時間前には夕食をとり、就寝1〜2時間前にお風呂で湯船につかり、身体を温めた方がよいでしょう。少しぬるめのお湯に10分以上つかることがよいです。コーヒーや栄養ドリンクなどのカフェインを含む飲料、お酒は一時的に控えた方がよいでしょう。寝ている時に、その同僚との事が気になってしっかり眠れない時には、メンタルクリニックに行って薬を一時的に処方してもらうことも大切です。食事は、栄養バランスを考えて、野菜や肉・魚、炭水化物をまんべんなく摂ることも大事です。

 また、体調が悪い時には、ネットサーフィンをすることは絶対に控えましょう。ネットサーフィンは、元気な時に必要な情報を調べる時には便利ですが、体調が悪い時にネットで検索すると、ネガティブなことばかりに注目し、しかも、ネットにはリンク機能がありますので、一時的な自分のネガティブな思い込みを確信に変化させる危険性が高いです。

 これから記すことはちょっときつく感じられることもありますので、抵抗を感じたら無理に考えることは控えてください。あなたが「人に相談すると、自分のわがままだと思われるのが怖くて」と感じているそうですが、「わがままと思う」のは誰になるのでしょうか?職場の同僚でしょうか?同僚の皆でしょうか? それとも、職場の上司でしょうか?

 「人に相談する」ことは、相手にもよりますし、相談の仕方によっても相談の内容が変わります。具体的に同僚の個人名を挙げて、具体的なことを話すこともあれば、あえて曖昧に、「職場で困ったことがあった」という言い方もあります。

 「怖くて」と感じていることは、ご自身として「安心したい」という思いがあるのだと思います。「安心したい」と思うことは間違いでありません。大事なことは、「安心したい」ことを実現するために、どういう手段をTPOに合わせてどう使うかということです。

 いろいろとアドバイスを書きましたが、少しでも参考になれば幸いです。私としては、あなた自身がこの問題を自分一人だけで解決しようとしないことを期待しています。一人で行き詰った時には、正直に人に自分の気持ちや考えを話すことが大切で、そのことがきっと自分にとって思いもつかない解決法をもたらしてくれるでしょう。

 




〈第18回〉日照時間と身体の関係

冬になって寒い日が続くと、土日も家の中に引きこもり気味になります。
夏よりも精神的にもうつむき加減になることが多いように思います。春の訪れを待ちわびていますが、何とか冬の日々も楽しく明るい気持ちで過ごせるようなコツがあれば教えてください。
(39歳 女性)

 

 私の調べた範囲では、日照時間と病気の関係に関する調査結果が見当たりませんでしたが、日照時間と症状に関しては、興味ある調査結果がありました。住居環境と日照・通風・湿度の条件と、そこに住む母親と子供の症状との関係を調べたもので、住居の日照・通風・湿度の条件が悪いところほど、母親の風邪のひきやすさと疲れ、子供の風邪のひきやすさと風邪の治りにくさ・顔色の悪さが関係しているそうです。また、住居の日照や通風の条件が良いところほど、そこに住む母親の気分として、愉快で楽しいと思うことが多い傾向にあることも報告されています。ということで、どうも日照時間と体調には関係がありそうです。

 冬に日照時間が短くなる対策としては、部屋の照明を調節することになります。朝、起床したらカーテンを開けて部屋に日差しをいれるようにするだけでなく、部屋の照明をつけて部屋全体を明るくすることが大事になります。冬の朝日は夏に比べると弱いですから、起きたらすぐに部屋の照明をつけることが大事になります。防犯上、部屋のカーテンを開けられない場合は、無理にカーテンを開けずに部屋の照明をつけるだけでもよいです。但し、寝る前2時間くらいになったら不必要な照明は消して、部屋を徐々に暗くすることが大事になります。寝ている時には、30ルックス以上の光がまぶたに当たるだけで眠りが浅くなることがわかっていますので、夜、どうしても小さな明かりをつけるのであれば、「足下灯を使う」または、「アイマスクをつけて寝る」ことをお勧めします。また、夜中起きた時に時計を見ることは控えましょう。何時か確認するだけで眠りが浅くなります。

 次に、部屋の換気をこまめにすることが大事です。冬寒いと、外気が入らないように窓を閉め切ってしまいがちですが、1回数分でもよいですから窓を開けて、朝と夕方に換気をすることが大事になります。なお、事務所内の空気の衛生基準を決めた法律として、「事務所衛生基準規則」というものがあります。そこでは換気の指標として、部屋の空気中の二酸化炭素が0.5%以下となるように定めています。それぐらい換気は大切ということです。

 冬は空気が乾燥しやすいので、加湿器を使って部屋の湿度を保っているところもあるかもしれませんが、加湿器内のタンクや水回りは定期的に清掃して、水垢を落とすことをお勧めします。

 最後に、体温が下がってくると、物事に対してネガティブに考えやすくなることも分かっていますので、身体を温めるために温かい食事や水分をとったり、夕方15〜30分程度散歩をしたり、寝る1〜2時間前にお風呂で湯船につかったり(シャワーの方は、膝から下に温水を長めにかけて温める)することをお勧めします。なお、生ものやアルコールは身体を冷やしやすいと言われていますので、体調が悪い時には控えることをお勧めいたします。また、激しい運動(例:ジョギング)は寝る直前に行うとかえって寝付きにくくなると言われていますので、運動の種類と時間帯には気をつけましょう。

 寒い冬が苦手と思う方もおられるかもしれませんが、寒い冬があるから春の訪れをありがたく思うのかもしれません。そんな風に思って、冬を工夫して楽しく過ごしていただければ幸いです。

 




〈第17回〉憂鬱の原因

仕事に大きな不満があると言う訳ではないのですが、日曜日の夕方頃からとても憂鬱になります。「サザエさん症候群」というものがあると聞いたことがあります。
日曜日の夜はなかなか寝付けず、眠りも浅く、うなされることもよくあります。これを一生続けるしかないのでしょうか?
(35歳 男性)

 

 一時期、「○○症候群」「○○シンドローム」と名付けることが流行っていました。「○○症候群(シンドローム)」は、正式な医学用語ではなく、一般に名付けられた俗名です。「サザエさん症候群」とは、日曜日の夕方の「サザエさん」のTV番組を見る頃から憂鬱になるというものです。「サザエさん症候群」自身、病気ではありませんので心配する必要はありません。ちなみに、ネットで「サザエさん症候群」を検索したところ、20〜60歳代の会社員579名のうち、TV番組の「サザエさん」を見ると憂鬱に感じると回答した方は、37.3%と掲載されていました。ネットでの調査なので、学術的に正しいかどうかは疑問のあるところですが、「サザエさん症候群」のような症状をお持ちの方は、あなただけではないと思った方がよさそうです。世の中のビジネスパーソンの約2〜3割程度が同じような思いをしていると理解した方がよいでしょう。それだけでも楽になると思います。

 日曜日の夕方に憂鬱になると感じる方は、不満やストレスに感じることがあるかないかにとらわれずに、まずは「心身が疲れている」かもしれないと理解することが大事です。次に「疲れ」の原因を究明することよりも、疲れているなりの生活を送ることが大事です。「疲れ」の原因を究明しようと、ネット検索することはお勧めできません。ネットはヒット率を高めるために記事を掲載していますから、相手にとって重要で、かつ、曖昧な情報がネット上にたくさん流されています。そのため、健康に関わる記事で不安をあおるものが、どうしてもネット上には多く掲載されがちです。しかも、ネットにはリンク機能がありますから、自分の中の些細な心配事を支持するような情報がネットでは検索しやすくなっており、ネットを見ているとますます自分の心配事(単なる思い込み)を確信に変える危険性があります。

 疲れている時には寝ること、そして食事、適度な運動です。30歳代の方は、週平均7時間寝ることが大事になります。そんなに眠れないと思う方は、まず、帰宅してからの生活習慣を振り返る必要があります。夕食は寝る3時間前に済ませているでしょうか?寝る直前ですと、それだけでも寝つきが悪くなります。どうしても寝る直前に食事をしないといけないのであれば、軽めにしておくことが必要です。例えば、おにぎりとサラダなど。夕方以降に、コーヒーや栄養ドリンクなどのカフェインをとることはお勧めしません。カフェインは心配事を助長させる働きがありますので、疲れている時にはよくありません。一部の特定保健食品にもカフェインが含まれていますので、成分表示をご確認ください。また、夕方以降の喫煙もよくありません。タバコに含まれているニコチンが神経を興奮させて寝つきを悪くします。お酒も疲れている時にはよくないです。アルコールは寝つきをよくさせますが、眠りを浅くしますので、寝ても疲れがとれにくくなります。寝る1〜2時間前にお風呂でぬるま湯につかって身体を温めることも大事です。身体を温めて、寝る前までに少し身体が冷えてくると、眠気が生じやすくなることがわかっています。寝る直前までPCやスマートフォン等で画面を見ていることも、寝つきを悪くします。目に強い光が当たると眠気が抑えられますので、寝る2時間前から、PCやスマートフォン(携帯電話)を扱わないことが大事です。LED照明は、夜は明るすぎるので、夕食以降は不必要な照明は使わないことがよいと思います。

 食事は、肉・魚、炭水化物(米やパン等)、野菜などをバランスよく食べることが大事です。野菜は、生野菜に換算して1日300グラムは食べる必要があります。野菜ジュースは野菜の代用にはなりません。

 気になる事や心配なことは、ペンを使って紙に書いたり、言葉にして直接人に話したりすることが大事です。ペンを使ったり、口を動かして言葉にしたりすることだけで、意外に、気持ちが楽になることもあります。くれぐれも、自分の頭の中でグルグル繰り返して考えないことです。

 生理的に、ヒトは、夜は悲観的に考えやすいこともわかっています。心配事や気になることは、朝、午前中に考えた方がよいです。

 当たり前のことかもしれませんが、当たり前のことを疲れている時に繰り返すことが大事になります。「疲れ」は生活習慣を改善したからといって、2〜3日で消えることはありません。2〜3週間、場合によっては、2〜3ヶ月かかるかもしれません。それぐらいかかっても仕方ないぐらいにお考えになる方がよいと思います。くれぐれも疲れている時に、気晴らしに外出を長時間されることはしないようお願いします。疲れている時には怪我や事故に遭いやすいですし、判断力が低下しているのでミスを起こし、余計に憂鬱になって疲れてしまうことがあります。疲れている時には疲れているなりの生活を送ることを忘れないように。体調は良い時も悪い時もあります。そういう波があるから、体調の良さが実感できるわけです。以上、参考になれば幸いです。

 




〈第16回〉職場のストレス

社内で部署を異動したわけではないのですが、新しい人員が加わり、部署内の状況が変わってきました。
人間関係の難しさも感じ、今の会社でずっとやっていくことに閉塞感を感じています。5月病なのかと思っていましたが、今でも憂鬱な気分の日が多いので心配です」(45歳 男性)

 

 部署異動に伴う業務内容の変化や人間関係の変化に戸惑う方は多いです。厚生労働省が5年ごとに実施している「労働者健康状況調査」の平成24年の結果では、「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある」と回答している労働者が60.9%で、強い不安・悩み・ストレスとなっていると感じる事柄は、第1位が「職場の人間関係の問題」(41.3%)、第2位が「仕事の質の問題」(33.1%)、第3位が「仕事の量の問題」(30.3%)となっています。働いている方の多くは、職場の人間関係や仕事の質や量に悩みながら働いているという事になります。つまり、「人間関係に悩んでいるのは自分だけではない」ということを理解することは大事な事です。

 人間関係をすぐに解決できる方法はありませんが、知っておくと便利なことをいくつかご紹介したいと思います。
 @人には、直接人と話すことでやる気が出るタイプもいれば、一方、黙って自分の時間を作る(または、限定された人と話す)ことでやる気がでるタイプもいるということです。職場は、上司のタイプや同僚の大多数のタイプによって職場全体の傾向が決定されるので、自分とは反対のタイプの方が多い、もしくは上司が自分のタイプと正反対ですと、悩まなくてもよいことに悩むことになります。
 A人には、原理原則を重んじて判断するタイプもいれば、人との調和を重んじて判断するタイプもいるということです。原理原則を重んじるタイプの方は、決められた規則に従い、出来事に対して客観的にものを言うのですが、人との調和を重んじるタイプの方にとっては、「配慮に欠ける」言い方と勘違いしがちで、そこで人間関係の問題が生じやすくなります。
 B人には、仕事を決められたプロセス通り段階的にこなさないと安心しないタイプと、仕事を進めるプロセスよりも「結果がよければ全てよし」と考えるタイプがいます。

 @からBで説明したタイプは、日常生活や職場において、どちらも必要なものです。ただ、人には利き手があるように、タイプにも利き手があることは理解し、相手がどちらの利き手なのかを知って自分と同じように相手も考えたり判断したりするはずと期待しすぎずに、歩み寄ることが大事だと思います。

 人間関係に閉塞感を覚えるのは、自分と相手は同じ考え方や同じ判断の仕方をするはずと考え悩んでいるのではないか、と推察します。しかしながら、大事なことは、自分と相手との違いを明確に理解することから始まります。明確な違いがわかれば、相手への期待感を適度にコントロールでき、相手に何をどこまで現実的に依頼(交渉)するのかを考えることができます。

 最後に「人間関係療法」についてお話しします。人間関係は、3層構造になっていると考えます。人間関係の中心にあるのは、「同居している家族・親・兄弟(姉妹)」であり、その外側は「友人・親族」、一番外側の表層にあるのが「職場の人間関係」です。自分が突然、怪我や病気をしても利害関係を考えずに心配してくれる「家族や友人、親族など」との人間関係がしっかりしていれば、「職場の人間関係」が多少ぐらついても体調を崩さないと、人間関係療法では考えます。「職場の人間関係」で悩んでいる方は、一度、親や兄弟(姉妹)、ご友人に、手紙や電話で雑談でもしてみたら、いかがでしょうか?話すことで少し「息継ぎ」ができ、明日への活力が少しでも出てきたら幸いです。

 




〈第15回〉うつ

最近、なんとなく気分が晴れるという日がありません。うつではないとは思いますが、何も悩むようなことはないのに、ため息をつくことが多いです。
そろそろ更年期の年齢のようですが、対処方法があれば教えてください。(50歳 女性)

 

 「ため息をつく」こと自体、病気ではありません。「ため息をつく」こと自体、心身の疲れに対する反応と考えた方がよいでしょう。ここ1〜2年で、仕事や生活で変化したことはないでしょうか?例えば、家を引っ越した、仕事が変わった、仕事内容が変わった、通勤時間が変わった、お子さんの入学や卒業、就職など、親が入院した、親が認知症等で介護サービスを受けるようになったなど。小さな変化でもそれにより、自分の生活スタイルが変化して、心身の疲れがたまってくることはよくあることです。

 まずは、基本に立ち戻って、「睡眠」「食事」「運動」を見直しましょう。疲れてくると家に帰ってもテレビやネットをダラダラみて、気づいたら、夜12時を過ぎていたり、または、家に帰っても趣味や運動に没頭して、忙しく用事をこなしていたりすることがよく起こります。疲れている時は、「疲れている」ことを理解して、家では夜9〜10時以降にはネット(スマホ・ゲーム等)を扱わずに、1時間でも早く寝ることが大事です。お風呂がシャワーだけの方は、できれば湯船に10分ぐらい入ったり、もしくは、洗面器やバケツにお湯をいれて、足だけでも5〜10分ぐらい温めたりすることで、リラックスできます。

 家に帰っても用事が多い方は、用事を書き出して今日しないといけないこと、明日でもよいことを区別し優先順位をつけて、今日やることを半分ぐらいに減らしましょう。疲れている時に多くの事をこなそうとすると、かえってミスが増えたり、考えがネガティブになって気分が落ち込みやすくなるので、悩んだり考えたりすることは午前中に行うことをお勧めします。また、疲れている時には、自分で自分に「これぐらいでいいかな」と口に出してみる、友人や家族に「ちょっと疲れているので」とリアルに話してみることをお勧めします。人間は口に出さずに頭の中で考えていると、グルグル同じことを考えすぎて疲れるので、言葉をリアルに口に出したり手を動かして紙に書きだしたりすると、考えている時に使う脳の部分と違う部分の脳が動き出して疲労による悪循環を止めやすくなります。

 次に食事ですが、コンビニで弁当やサンドイッチ、野菜ジュースなどで済ませたりしていないか確認をしましょう。疲れてくると料理をするのも面倒になってくるので、その時には、惣菜店を利用するのもよいと思います。また、人によっては疲れがたまってくると、お菓子類をよく食べる方もいますので、お菓子類の回数や量は減らして、朝食・昼食・夕食に、主食(パンやごはん)、主菜(肉や魚)、副菜(野菜・煮物など)をそろえて食べるようにしましょう。

 「運動」ですが、疲れている時に無理して体を動かすことはお勧めしません。かえって筋肉や靭帯を傷めて、疲労がたまってきます。家の中で、横になって手足を伸ばして深呼吸するのもよいですし、ストレッチをするのもよいですし、スポーツジムでヨガなどをするのもよいでしょう。

 疲労の症状には、気分が落ち込むだけでなく、もの忘れが増えたり、風邪をひきやすくなったり、頭痛・めまいなどが持続したりすることもありますので、たかが「疲労」と甘く見ないことが大事です。もちろん、年齢的に更年期障害の可能性もありますから、一度、婦人科で検査をされることをお勧めします。また、年に1回の健康診断で身体全体の状態を確認することも忘れないようにしましょう。

 1に生活習慣の改善、2に適切な医療機関に受診することです。「ため息」はためないで、しっかり「ため息」をつきましょう。

 




〈第14回〉うつ

2週間不眠が続き『うつ』だと思ったので病院に行くことを考えましたが、行かないまま理由もなく2週間たったところで治りました。
2週間で治ったということは、『うつ』ではなかったのでしょうか?『うつ』は再発することが多いとあったので心配しています。再発防止のために気をつけることを教えてください。
(50歳 Rさん )

 

 まず、「うつ」かどうかということですが、「不眠」=「うつ」ではありません。不眠を起こす体の病気はいろいろあります。有名な病気としては、喉元にある甲状腺という体の新陳代謝を司る臓器の働きが異常に高まったり弱まったりする病気や、睡眠時に呼吸が止まる回数が多い睡眠時無呼吸症候群、度合いによりますが、鼻の通気が悪くなる慢性鼻炎、鼻中隔湾曲症、頭痛や腹痛などがあります。

 不眠をきたす状態としては、カフェインを多量に摂取している状態、アルコール摂取もあります。ですから、不眠が治ったから良いと考えることは危なく、内科(甲状腺内科・内分泌内科)で甲状腺機能検査を、また、耳鼻咽喉科や呼吸器科で睡眠時無呼吸症候群の検査などを受け、カフェイン含有食品(コーヒーやコーラー、一部のトクホ食品)を控えたり、お酒を止めたりする必要があります。意外に知られていませんが、疲れている状態で激しい運動をすると眠れなくなりますので、疲れている時には運動量は控えめにしたりお休みしたりすることは大事になります。

 また、睡眠相後退症候群というものもあり、寝る直前までインターネットやテレビゲームをしたり、スマートフォンなどを扱ったりすると眠りにくくなることもよくわかっていますので注意が必要です。余談ですが、眠気は徐々に生じてくるものですから、夜9時以降は電灯を少し暗めにしたり、寝る前1〜2時間にお風呂で湯船につかって体を温めたりすることも大事になります。

 「うつ」の再発防止で気を付けることは、睡眠時間を削らないことです。起きている間に頭の中に睡眠を誘発する物質が貯まり、寝ることでその物質を分解するという仕組みになっていることがわかっています。カフェインは頭の中の睡眠誘発物質が貯まっているにも関わらず、表面上眠気を抑制するのでお勧めしません。また、アルコールは睡眠の深さを浅くしますので、睡眠の質を悪化させます。ですから、理想的には、夜10〜11時に電気を消して布団に入り、一週間平均して一日6〜7時間寝ることが大事になります。働いている方は通勤の都合上、平日がどうしても睡眠時間が短めの方が多いので、休日に朝寝坊している方が多いです。疲れると人間は眠くなることが多いですが、逆に頭がさえて眠りにくくなる方もいますので、そういう方は眠れないから大丈夫とは考えずに、夜、時間を決めて電気を消して横になったり、昼休みに15〜30分程度目を閉じて目を休めたりすることが大事になります。

 他にも、栄養バランスのある食事も「うつ」予防に大切ということもわかっています。タンパク質(肉や魚)、野菜、炭水化物(パンやお米等)をまんべんなく食べることも大事です。単品料理よりも定食ものを選ぶことが大事です。弁当の際には、野菜サラダを一品つけることです。ただし、食べすぎもよくありません。メタボリック症候群の方は、そうでない方に比べて、1.5倍うつになりやすいこともわかっていますので、適切な食事量と適度な運動(30分程度の散歩でもOK)が必要です。

 最後に、リアルに話をできる相手を持つことも大事です。ネット上ではなく、直接顔を合わせて言葉を口に出して話せる相手(仕事関係以外の方、特に親や兄弟、パートナーなど)を大切にしましょう。参考になれば幸いです。

 




〈第13回〉頭痛

もともと頭痛持ちなのですが、最近は頭痛がよく起こるようになり、朝から痛み止めを内服することが多くなりました。
頭痛は痛み止めの薬で対応するしかないのでしょうか?
(45歳Fさん)

 

 頭痛がひどい場合は、確かに痛み止めの薬を内服することは大事ですが、普段の生活を見直すことも大切です。

 普段の生活を見直す第1歩としては、「睡眠時間」です。寝る時間を増やすよう言われても、なかなか難しいと言われる方は、朝からの過ごし方を見直す必要があります。

@朝起きた後、日当たりのよい部屋で過ごしていますか。直接、日光を見ることは必要でなく、窓から日光が差す部屋で過ごす、または、朝のゴミ捨てついでに、外の陽に1〜2分程度当たるだけでも結構です。

Aお昼の12時〜14時の間に眠くなくても15分〜30分程度目を閉じる。人間の体は、12時〜14時の間に少し眠くなるようにできています。普段はそれに気づいていないかもしれませんが、体が疲れ気味の時には自覚できない眠気が溜まっていることが多いので、眠気を感じなくても、目を閉じることをお勧めします。

Bコーヒー・栄養ドリンクなどカフェインを含んだものを口にしないようにする。カフェインは頭痛を起こしやすくする物質です。コーヒーを飲まないと体がだるいという場合は、体がだるいという状態が本当の自分の状態であることを理解して、いつもより早く寝ることが大切です。

C帰宅後、スマートフォンやコンピュータ、ゲームを見たり扱ったりしない。スマートフォンやコンピュータ、ゲームを扱っていると、目に多くの刺激を与えるだけでなく、夜寝るよう頭が準備しているのを妨げてしまい、寝つきを悪くします。布団やベッドの周りにスマートフォンやコンピュータ、ゲームを置くことも止めましょう。

D帰りが遅い時には、夕食を軽めにする。夜遅くに夕食をたくさん食べると、おなかがもたれて眠りにくくなります。

E寝る時間を決めて、電気を消して部屋を暗くする。もし、トイレに行くため、小さな照明をつけたいのであれば、寝ている自分の目に直接光が当たらないよう物で光を遮ったり、部屋の隅に足下灯をつけるようにしてください。

F寝る1〜2時間前にお風呂で湯船につかる。体を芯から温めることは、良い睡眠をとるために必要です。シャワーしか使えない場合は、両ひざから足全体に温水を長く当てることでも構いません。

G夜、お酒を飲まない。お酒は頭痛を起こしやすくしますし、眠りを浅くしますので止めましょう。

H休日は眠くなくても午前中に2度寝(横になるだけでも結構)をする。運動をしている方は、運動時間を一時的に減らすことをお勧めします。

I食事が外食でバランスが悪いようであれば、定食ものを食べるようにしたり、惣菜店で野菜を買ったりするようにする。

 以上の@〜Iを実践しても頭痛が改善せず、だんだんひどくなる場合は、念のため、脳神経外科と心療内科・精神科で検査をしてもらいましょう。

 




〈第12回〉睡眠

最近は睡眠が大事と言われるので、夜の12 時前に布団へ入るのですが、なかなか寝付けなく、それではいけないと思って我慢していると益々寝付けなくなってしまうのですが、これは病気でしょうか?
(40歳Sさん)

 

 最近は睡眠の重要性が言われるようになって、健康管理上とても良い事ですが、その反面、ご質問のように寝付けないことを訴える方もいらっしゃいます。

 寝ようとすると、ますます眠れなくなることは、誰しもよくあることです。それ自体、病気の可能性は低いと思います。寝ようと意識すればするほど、神経が高ぶって眠れなくなるものです。それで、眠れないことを気にすると、ますます神経が高ぶって、ますます眠れなくなる悪循環を引き起こします。

 まずは、眠れないことが気になったら、前記のような悪循環をさせないことが大事になります。皆、自分の身体を完璧に自分でコントロールはできないものです。それなのに、完璧にコントロールできないことをしようとするから、余計に気にしてしまうものなのです。

 睡眠についても同様です。時間を決めて布団へ入ることはよいことです。ただ、いつも同じように寝付くかどうかは、その日によって変化します。数分で眠ることもあれば、1〜2時間かかって眠ることもあるものです。大事なことは、数分で寝ようが、1〜2時間かかって寝ようが、翌朝、同じ時間に起きて、いつものように、日中行動できること(顔を洗う、歯をみがく、身支度を整える、掃除、家事、出勤など)です。ですから、眠れないと感じたら、寝ようと考えずに、一息いれて、「こんな日もあるかな」と思って、目を閉じたまま、おなかに手を当てて、呼吸に応じておなかに軽く置いた手がどのように動くかを感じましょう。

 そして、少しずつ息をゆっくり吐いたり吸ったりしながら、おなかの上に置いた手がどのように動くかを自分なりに感じることをお勧めします。くれぐれも、眠れないからといって、「時計を見て何分経過した」と確認したり、寝室の電気をつけて部屋を明るくしたりすることはしないようにお願いします。

 また、お酒の力を借りて寝ることもお勧めしません。お酒もアルコールという薬物です。お酒は寝つきをよくしますが、体力が落ちてくると深く眠れないようにさせ、朝早く目が覚めるようになる副作用があります。睡眠については、『快眠推進倶楽部』というホームページに注意事項を書いていますので、興味のある方は参考にされることをお勧めします。

 なお、身体の病気等で治療中の方は主治医へ、いびきをかいている方や花粉症(アレルギー性鼻炎)の方は耳鼻咽喉科へ念の為、相談してください。

※『快眠推進倶楽部』ホームページ
http://www.kaimin.info/

 




〈第11回〉『うつ』への理解

知り合いのご主人が『うつ』になったそうで、主治医から家族へ「病気のことを理解してあげてください」と言われたそうなのですが、『うつ』の方がいる家族で気をつけることはありますか?
(大阪府・Mさん)

 

 『うつ』の方がいるご家族は、近年、増えていると感じております。また、「家族に『うつ』の人がいるのだが、家族としてどう接してよいかわからない」というご相談も、近年、増えている感じがします。

 よく、『うつ』の方に「叱ってはいけない」ということを言われます。しかし、それを気にしすぎて家庭で病人と全く会話をしないというケースも多々、見受けられますが、全く会話をしないことはよくありません。

 会話をしない理由として、「どう『うつ』の人と会話してよいかわからない」「変なことを言うとストレスがたまって病気が悪化するのではないか」という心配が多いですが、会話をしないことも病人にとっては、とてもつらいことです。

 では、「どう話したらよいか」ということですが、まずは、「私は」という主語をつけて話すことが大事です。「私は、あなたにゴミ捨てを手伝ってもらいたいと思うんだけど、手伝えそう?」「私は、あなたが家でネットを3時間もしているのをみていると体調が心配なんだけど、主治医からは何か言われている?」というように、「私は」という主語をつけて話すと、聞く相手からはきつく感じることはありません。

 後は、よくご家族から受ける相談ですが、「目を離さないよう常にそばにいないといけないので、毎週友人と喫茶店へ行くのを我慢したほうがよいですか?」というものがあります。主治医の言われたとおりに薬を内服し、通院も定期的にしているようであれば、毎週自分が楽しみにしている外出を行うことは問題ありません。「ちょっと友人とお茶してくるから、お留守番をよろしくお願いします。昼食は自分でお願いします」と言って出かけましょう。病人を支える家族が体調を崩すことは、一番避けないといけないからです。

 そのためには、「早く病気を治してもらうよう」と期待しすぎないで、病気を治すのに数年かかっても、家族自身が体調を崩さないようにすることが大切です。くれぐれも、「病気を理解すること」=「病人に優しくすること」と思わないようにお願いします。病気を「理解する」ことは、「早く治してほしい」「早く仕事をしてほしい」と「期待しすぎない」ことです。

 なお、住宅ローンなどで休業によりローンの支払いが厳しくなるような時には、早めに司法書士や弁護士へ相談することをお勧めします。法テラスの利用もよいと思います。司法書士や弁護士への相談ですが、窓口担当者により解釈が異なるのが普通なので、2〜3箇所へ相談することをお勧めします。

 また、病人の体調が悪くなり、同居の家族に対してきつく当たってしまうこともあります。その時、病人自身は、きつく家族へ当たっているという自覚はないので、主治医へ手紙でも結構なので、その旨を伝えましょう。きつく当たられて、それを病気だからといって我慢することは、病人本人だけでなく、家族の健康も損なわれて危険です。

 万が一、言葉の暴力を振るわれている場合には、ためらわずに最寄りの警察署(生活安全課)へ連絡してください。また、「死にたい」「私がいなくても・・・」「遠くへ行きたい」と言うことがあれば、そのことを主治医へ手紙で伝えることは大事ですし、そのことを最寄りの警察署(生活安全課)へ連絡することも大事です。なぜなら、多くの場合、本人から主治医へそのことを伝えていないことが多いからです。

 散文的に回答しましたが、少しでも参考になれば幸いです。

 




〈第10回〉「ストレス」と「うつ」

友人の知り合いが、体調が悪く、メンタルクリニックを受診したら、「うつ」と言われたそうですが、その方は仕事が好きで、仕事はストレスにならないので休みたくないのに、休まないといけないのかと相談されて困っています。どう対応したらよいですか?
(東京都・Kさん)

 

 体調の悪い方がお一人暮らしなのか、ご家族と同居しているのか、勤め先の状況がどうなっているか、わからないので、「一般的」な回答であることを、あらかじめご了承願います。

 この方は、どうも「ストレス」の意味を勘違いされているようです。「ストレス」=「嫌な事、つらい事」ではありません。「ストレス」=単なる「刺激」です。嬉しいことも楽しいことも「ストレス」なのです。刺激を受けて、気分が落ち込んだり、眠れなくなったりすることは、正確には「ストレス状態」と言います。

 「うつ」は、簡単に言うと、寝る体力や感情を安定させる体力、自分の疲れを感じる体力がなくなった状態です。車に例えると、エンジンがオーバーヒートして動かないのに、アクセルをずっと足で押し続けている状態、コンピュータに例えると、コンピュータがフリーズしているのに、キーボードから入力を続けている状態です。ですから、処方された薬を飲むだけでなく、「休む」ことが大事になります。

 この方は、薬を飲みながら仕事を続けたいと言っているようですが、産業医の経験から申し上げると、こういう方は意外に多く、本人の言うがままに働き続けると、どんどん病気が悪化して、最後には、働けなくなり、病気が良くなるのに、1〜2年自宅療養しないといけない状態になることが多いです。病気は違いますが、肺炎で高熱が出ているのに、本人が仕事が好きだからといって、高熱を出しながら働くことは誰もさせないでしょう。それと同じ対応になります。具体的には、「うつは、身体が疲れすぎた状態なので、仕事が好きでも働こうとせず、会社の上司(人事)に相談して、しばらく会社を休んだ方がよいと、私は思うけど」と回答されてはいかがでしょうか。参考になれば幸いです。

 




〈第9回〉ストレスとは

最近、耳鳴りがするので耳鼻咽喉科へ行って検査をしましたが、検査の結果、問題がなく、原因はストレスではないかと言われました。ところで、ストレスという言葉はよく聞きますが、一体、ストレスとはどういうものですか。
(京都府・Hさん)

 

 まず、耳鳴りの件ですが、耳鼻咽喉科で検査して問題なければ、念のため、脳神経外科でも検査されることをお勧めします。

 ご質問の「ストレス」ですが、よく例えられるのは、ボールをぎゅっと押した時に、押したところがへこんでしまう、その「へこんでしまった」状態を「ストレス」と言います。ここで注意をしないといけないのは、ボールを押す力が一定でも、ボールの固さによって、へこみ度合が違うということです。

 例えば、夏に暑い日が続くと(これがボールを押す力)、夏バテしやすい方もいれば、夏バテしない方もいます(これが、ボールのへこみ度合)。要は、ボールを押す力には個人差がないのですが、へこみ度合には個人差がとても大きいということです。

 ストレスという言葉は、よく使われるようになりましたが、しかし、意味がわかったようでよくわからないところがあります。その際には、「ストレス」という言葉を「疲れ」と言い換えてみると、意味がよくわかります。「ストレス」で耳鳴りがするを、「疲れ」で耳鳴りがすると言い換えましょう。言い換えれば、自分では疲れているという実感がないかもしれませんが、疲れているのだから、睡眠時間を1時間増やそうとか、食事は栄養バランスを考えて、色の濃い野菜を多めに取ろうとか、対策を考えやすくなります。くれぐれも、睡眠時間を削って、運動をするようなことは避けましょう。優先順位としては、@に睡眠、Aに食事、Bに手洗い・うがい・歯みがき、Cに入浴、Dに運動です。

 




〈第8回〉情報とうまく付き合う方法

インターネットにて、さまざまな情報に触れることが多いですが、情報との付き合い方で気を付けることがありますか?
(宮城県・Mさん)

 

 今は、インターネットと情報携帯端末の発達で、簡単に多くの情報を探すことが可能ですが、情報とうまく付き合う方法について解説されたものは、私の知る範囲では少ないと思います。

 情報の特徴としては、自分にとって重要と思えるもので、かつ、あいまいなものほど、情報が多くの人に早く伝達することが、よく知られています。よくあるのは、健康関係の情報で、健康は皆さんにとっては重要と思われやすいですし、また、あいまいな情報(例えば、これを飲むと、〇〇sダイエットできました!)ほど、早く多くの人に伝達されます。逆に言うと、明確な情報(例えば、〇%人が、〇ヶ月間、毎日これを使用すると、〇s〜〇sぐらい体重が変化します)ほど、多くの方に早く伝達されにくいということになります。

 独立行政法人国民生活センターや消費者庁のホームページには、重要なものが掲載されていますが、明確であるため、多くの方に早く伝達されていないように思います。

 ネットで情報を検索するときに、気を付けないといけないことは、検索に没頭するばかりに多くの時間を使ってしまい、思いのほかに頭が疲労してしまうことです。本や新聞のように印刷したものであれば、読み切ってしまえば、それ以上、没頭できませんが、ネットは切りがありません。また、リンクが張ってある為に、自分の興味や考えに近い、偏った情報を集めやすく、冷静な判断を妨げる危険性があることです。新聞であれば、公平性を保つために、反対意見も載せていますが、ネットで情報を検索する時には、自分の意思と異なる意見をわざわざ調べることは少ないため、自分の考え方や意見が、さも皆のと同じように勘違いさせやすいところも気を付けた方が良いと思います。

 




〈第7回〉「日常生活の事故」について

家の中は安全だと思っているのですが、 家の中で気をつけるべき事故やケガはありますか?
(福岡県・Hさん)

 

 東京消防庁のホームページ の「日常生活における事故情報」に家の中で気をつけなければならない事故やケガについて掲載しています。

 その中で、命の危険が高い事故やケガについてご紹介します。子どもに関して気をつけるべき事故は、「浴槽で溺れる」ことです。事故の発生状況としては、「入浴中、保護者等がその場を離れる」「保護者等と一緒にいて溺れる」ことが多いようです。0歳から2歳までの子供が8割以上を占めています。また、意外に見落とされがちなケガは、歯ブラシを口に入れたまま転倒して口の中をケガすることです。これは1歳から3歳までの子どもに多いようです。それから、アパートやマンションの天窓やガラス屋根からの転落事故も、8歳から11歳までの子どもに多いそうです。

 大人では、年末の大掃除の時に、椅子や脚立から転落するケガや、誤って混合した洗剤等から発生した有毒ガスを吸い込む事故も発生しています。年齢としては、60歳以上の方が多いようです。アルコール飲料での意外な事故としては、「意図せず体に付着したアルコール飲料がライターなどの火に引火してのやけど」「お燗など温めたアルコールを直接皮膚に浴びてのやけど」があります。20歳代の方に多いようです。次に、50歳以上で気を付けないといけない事故は、餅をのどに詰まらせることです。年末年始に多く発生しています。のどに詰まった人をみたら、ためらわずに、背中の肩甲骨と肩甲骨の間を、手のひらの付け根で強く4〜5回すばやく叩くことが大切です。また、めったに起きませんが、子供の誤嚥で一番気をつけないといけないのは、ピーナッツです。ピーナッツは、水を含むを膨らみますし、柔らかくなるので、なかなか取り出せず、厄介です。

 色々な事故について書きましたが、安全はあるものでなく、つくるものですので、家の中でも気を付けていただければ幸いです。

 




〈第6回〉野菜ジュースについて

野菜ジュ−スは野菜の代わりになるのでしょうか?
(岡山県・Fさん)

 

 日本国民の健康管理に関してまとめた「健康日本21※1」というものがあります。そこでは、成人の1日あたりの野菜の平均摂取量(目標値)を350グラム(生野菜換算)以上と定めています。

 平成12年に、独立行政法人 国民生活センターにて実施された、野菜ジュース(野菜系飲料)に関する成分調査※2の結果をご紹介します。@食物繊維、特に不溶性の食物繊維量は、生野菜と比べ極めて少量しか含まれておらず、食物繊維の補給効果は低い。AビタミンA 効力は、野菜系飲料では、緑黄色野菜と大差ないかそれを超えるものもあったが、果汁の多い銘柄では、ほとんど含まれていないものもあった。Bその他のビタミンやミネラルについては、総じて補給効果は小さいものが多かった。C栄養成分表示とテスト結果のずれが大きく、栄養表示基準で定められた誤差の許容範囲を超える銘柄が多かった。D「○○グラム分の緑黄色野菜がとれる」などの表示が目立つ部分に多く見られたが、栄養成分量で、その量を満たす銘柄はなかった。

 上記の結果から、あくまでも野菜ジュースは補助的なものと考えて、野菜ジュースは1日200ml程度にして、毎日しっかり野菜を食べることをお勧めいたします。

 

※1 http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html
※2 http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20001106_1.pdf

 




〈第5回〉「寝だめ」について

「寝だめ」は、できるのでしょうか。もし、できるとしたら、「寝だめ」は体に良いのでしょうか?
休日に長く寝ると、頭痛がするので、あえて長く寝ないようにしているのですが、これは良い事でしょうか?
(茨城県・Tさん)

 

 正確には、「寝だめ」はできません。 休日に長く寝る現象は、平日の睡眠不足を補おうとして生じる現象です。 研究者によって意見は異なるようですが、人は起きている間に睡眠を促す「睡眠物質」を頭の中にためるそうです。 そして、寝ることで、「睡眠物質」を減らしていますが、平日、寝不足が続くと、十分に「睡眠物質」を減らすことができず、 休日に長く寝ることで、頭の中にたまった「睡眠物質」を減らすということをしています。 ちなみに、睡眠不足は、一般的に、1日の睡眠時間が6〜7時間未満の状態を指します。 体調が悪い時は、8〜9時間以上寝ることも大事です。

 長く寝ると、頭痛がするという現象もよく聞きますが、長く寝ることで、普段隠れていた頭痛が自分でわかるようになったと、 私は、考えています。 ですので、頭痛がするから長く寝ないというのは、あまり体によくなく、長く寝ても頭痛が生じないように、毎日7時間程度寝たり、 頭痛を生じやすくするようなアルコールやカフェイン、香辛料を控え、お風呂では湯船につかって体の筋肉を緩めることを心がけましょう。

 




〈第4回〉ストレスとのつき合い方

毎日仕事が忙しくて、ストレスが溜まる一方です。
ストレス解消やストレス発散をするための、何かお勧めの方法はありますか?
(福岡県・ T さん)

 

 「ストレス」という言葉は、今は良く使われていますが、正確に言いますと、ストレスと感じさせるものと、ストレスと感じた状態の2つに分けられます。 ストレスと感じさせるものは、正確には、「ストレッサー」と言います。 ストレスと感じた状態を、正確には、「ストレス状態」と言います。 ストレッサーには、生物学的なもの(花粉やウイルス等)、物理学的なもの(音や光、照度、部屋の広さ等)、化学的なもの(アルコールやタバコ等)、心理的なもの(嬉しい出来事、悲しい出来事等)、社会的なもの(職場や家庭、地域に関する出来事等)があります。 ストレス状態には、よいストレス状態(やる気や集中力等)と悪いストレス状態(気分の落ち込みや不眠等)があります。

 さて、ご質問のストレス解消やストレス発散は、悪いストレス状態を生じさせるストレッサーを減らす、または、避けるということを意味します。 ただ、生きるために「適切な」ストレッサーを減らしたり避けたりすることはできないことは、ご留意願います。例えば、人と関わらずに生きていくことはできませんので、人は「挨拶」をして人間関係を作る事をしていますが、「挨拶」がストレスだからとって避けることはできないのです。 あくまでも、生きるために「不適切な」ストレスを減らしたり避けたりすることが大事と理解してもらいたいと思います。 ご質問のお勧めの方法ですが、まずは、毎日の生活習慣を確認することをお勧めします。睡眠(週平均7時間寝ているか)、栄養のバランスを考えて食事をしているか(野菜や、肉・魚を食べているか)が大事になります。

 




〈第3回〉風邪を引かないために

今年は受験をひかえているので、体調には万全を期しています。
風邪を予防するために、必要な生活習慣には何がありますか?
(静岡・ THさん)

 

 「風邪は万病の元」と良く言われますが、正確に言うと、風邪に似た症状(せき、鼻水、寒気発熱)は、 色々な病気が初期に生じる症状と似ているのです。ということは、たかが、せき、鼻水、寒気、とは思わずに、 体が悲鳴を上げていると理解する必要があります。

 風邪を予防するには、まず、体を冷やさないようにすることが大事です。睡眠時間を削った生活を続けると 体のバランスが崩れやすくなり、体の隅々まで通っている小さな血管(毛細血管)の太さを調整している神経 が、うまく動かなくなり、体が冷えやすくなります。寝る前に、お風呂で湯船につかることも大切です。また、 うがい・手洗いも大事です。

 ただ、症状がない場合は、0.9%の食塩水(水1リットルに、食塩9グラムを混ぜたもの)を使って、うがいを すると、のどに刺激を与えなくてよいです。鼻から0.9%の食塩水を使って、口から出す「鼻うがい」もお勧めです。 華は、体の中にばい菌が入らないようにするフィルターの役目をしていますので、鼻を洗うことは、フィルターを 洗うことになるのです。しかし、くれぐれも0.9%の食塩水を使ってください。また、鼻の病気がある方は、耳鼻科に 相談してから行うようにしてください。、

 




〈第2回〉ベクレルとシーベルト

テレビで放射線の報道を見ていると、ベクレルとシーベルトという言葉が出てきます。
それはどういう意味ですか?わからない言葉ばかりで不安です。
(岡山県・Oさん)

 

 ベクレルというのは、ある物質が放射線を出す量を示します。シーベルトとは、その物質から、人間の体にどれだけ放射線が届くかを指します。

 花の匂いに例えると、匂いの物質の量が、ベクレルになります。花の種類によっては、強い匂い(=高いベクレル)を出しますし、わずかな匂い(=きわめて低いベクレル)を出すことがあります。

 しかしながら、その花から、20km離れていたら、どんなに強い匂いを発する花でも、匂いを感じることができません(=きわめて低いシーベルト)。わずかな匂いを出す花でも、顔を花に近づければ、匂いを強くかぐことができます(=高いシーベルト)。

 ここで、混乱をきたすのが、μ(マイクロ)という単位です。とても小さな単位で、人の細胞の大きさが6?25マイクロメートルで、細菌(ばい菌)の大きさが1?5マイクロメートルと表現でき、目に見えないものでも、マイクロという単位であれば、表現することができます。

 これを匂いの例になぞらえると、鼻に感じず匂わないものも、マイクロという単位を使い、数字として表現しているのです。

 数字になると、あたかもたくさん存在しているように感じてしまいますが、人間の体に必要なミネラルの一つである、カリウムに放射線をだすものがあります。大人の体には、放射線を出すカリウムが約140グラムがあり、約4000ベクレルの放射線を出していることがわかっています。

 太古の昔から、人間は放射線と共存していたことがわかります。

 




〈第1回〉

東北関東大震災を東京で経験しました。
高層マンションの最上階で震度5強の揺れで、とても怖かったです。
あれから、地震でもないのにいつも揺れているような気がするのと、時々吐き気がします。
いつになった治るのでしょうか?
(愛知県・Mさん)

 

 ご質問のように、東日本大震災の後、地震でもないのに揺れているような感じを受けている方は多いのではないでしょうか。そういう私も、揺れた感じを受けることがあります。

 この状態は、地震により身体が疲れて、緊張とリラックスを司る自律神経のバランスが崩れた状態です。身体が疲れているわけですから、この状態を改善するにはまず、週平均7時間寝ることが大事になります。

 その次に、1日3食たべることが大事です。特に、色の濃い野菜は、疲労回復に必要なビタミンが豊富ですので、野菜はしっかり食べましょう。コンビニで売っているサラダ3つ分が、1日に必要な野菜の量です。

 また、「揺れた」と感じたら、2、3回深呼吸をして、それが単なる自分の勘違いなのか、立ち止まって、冷静に考え直すことです。身の回りで揺れている物がなければ、勘違いですから、自分で「疲れているな」と思って、早く寝ましょう。間違った思い込みを繰り返すと、癖になりますので、深呼吸をして、単なる勘違いなのか、確認しておくことが大事です。

 ちなみに、疲れている時にお酒を飲むと、お酒の副作用で、深く寝ることができなくなり、かえって疲れが取れなくなりますので、気をつけてください。カフェインの入っているコーヒー・紅茶・苦い緑茶も、疲れているときには控えて、ハーブティーや、ほうじ茶、白湯を飲むことをお勧めします。

 



どんちゃん先生こと清水 隆司 先生

〜PROFILE〜

(清水 隆司 先生)
日本メディカル研究所
株式会社JPRON(ジェイプロン)
東京都中央区日本橋本町 1-6-1-14-401 TEL:03-5404-3566
http://www.medi-mental.com/
現在は、医学博士、日本医師会認定産業医、日本産業衛生学会指導医、産業医学ディプロマ、労働基準コンサルタントとして、 十数社の産業医として、社員のココロと身体の健康管理を担当している。

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